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【タイルができるまで 】窯焼きの火を入れる

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窯に火を入れる

我々、窯業関係者は地元では「窯焼き」と呼ばれます。
窯で焼き物を焼くからです。
我々窯焼きは、窯で焼くことを生業(なりわい)としています。
窯との呼吸が、我々の呼吸です。
窯の火の色を見て、ガスの燃える音を聞いて、設備の振動を感じて、製品の焼け具合を見て…。
我々窯焼きは、窯がすべて。
窯にこれから焼く生地を入れることを「窯に飯を食わせる」といいます。
窯の様子を見て、窯とともに働き、窯に飯を食わせ、そして、窯に飯を食わせてもらっています。
その窯に火を入れること。
それは祈りにも似た儀式です。
安全を願って、いい製品が焼けることを願って、窯に命を吹き込むのです。
「窯に火が入る」
徐々に温度が上がって、窯の中が赤く明るくなってくる。
明かりを見て、我々窯焼きは祈るのです。
無事にタイルが焼けますように…。
火を入れるのに1時間ほど付きっきりで、走り回りながら窯に火を入れていきます。
温度が安定するまで気は抜けません。
夜中も見に行きます。
それは祈りだから。
この窯で焼いた製品が、たくさんの人の喜びに変わってくれることを祈って。
窯焼きが、今日も、明日も、明後日も、窯とともに生きていくために。
 
祈りを込めて火を入れます。
 
【玉川窯業株式会社 常務取締役 中島 且貴】
火を入れる前の窯の入り口です。
窯の中は静寂で、炎という命が宿るのを待っています。
タイルを焼く窯に火を入れる
 

窯に火を入れる準備

・ベーパライザー(液化ガス気化装置)の温度が上がっていることを確認します。
特に気温が低い時期は、ガスが再液化する恐れがあるので、充分な熱が付いた(2時間~くらいの加熱が必要)のを確認してから、ガス大元栓を開けることができます。
・当社の窯は自動温度調節機能がついているため、自動温度調整設備を作動させます。
3か所の温度を計り、製品焼成の加熱スピードをコントロールしている設備です。
火入れ時には、昇温するまでは、最大出力で昇温させていく設定になっています。
・ガスボンベ直結のガス大元栓を開けます。
「シュッ」という音とともにガスが窯の安全弁付き元栓へ流れていきます。
・ガスボンベは500kg貯蔵可能ボンベが5本あり、液化ガス貯蔵量は最大2,500kg、火入れの時は満タンになっているので、約2,500kg液化ガスが貯蔵されています。
・大元栓を開き、ガス開通が確認できたら、ボンベ自動切り替え機を作動させます。
ガス切れ防止装置です。
・ここから工場内に移り、ガスと混合させる焼成用エアーのブロアモーターを起動させます。
ガスとエアーの混合比は今までの焼き具合から設定されています。
理論燃焼比率(ガスが最も効率的に燃焼するエアー量)よりも少しエアーを多くしています。
焼き具合による仕上がりの関係です。
・ガスバーナーのガスコック、ガス、エアー混合バルブにゆるみがないか、再確認します。
・各バーナーにガスを送る、安全弁付き元栓を開けます。
・一度ガス圧を上げ、また元栓のコックを閉めて、バーナー周りのガス漏れを確認します。
・ガス漏れがないこと(ガス圧の低下)がないことを確認してから、もう一度安全弁付き元栓を開けます。
この状態で窯に火を打ち込むバーナーの手前までガスが行き届きます。
・その後、補助エアー類、排気系統のモーターを起動させます。
 
あらかじめベーパライザー(液化ガス気化装置)の電源を稼働させ、熱を付けておきます。
自動温度調整装置のスイッチを入れます。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
窯の内部の温度は現在9℃ 耐高温温度計で1,230℃まで温度を上げていきます。
この温度はあくまで温度計での計測温度であり、実際の温度とは異なります。
実際の温度は火の色、タイルの焼け具合を見ながら確認します。
参考温度です。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
 
もっとも緊張する仕事が始まります。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
ボンベからのガス大元栓を開けます 「シュッ」という音とともに、ガスが流れていきます
タイルを焼く窯に火を入れる
 
ボンベ自動切り替え機を作動させます ガス切れ防止装置です。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
ガスと混合させる焼成用エアーのブロアモーターを起動させます。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
補助エアー類、排気系統のモーターを起動させます。
タイルを焼く窯に火を入れる
タイルを焼く窯に火を入れる
 
・各バーナーにガスを送る、安全弁付き元栓を開けます
・一度ガス圧を上げ、また元栓のコックを閉めて、バーナー周りのガス漏れを確認します
・ガス漏れがないこと(ガス圧の低下)がないことを確認してから、もう一度安全弁付き元栓を開けます。
この状態で窯に火を打ち込むバーナーの手前までガスが行き届きます。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
 

いよいよ火入れ本番

・点火用ガスバーナーに火をつけ、各バーナーの点火口より火をつけていきます。
5対10基のバーナーに順次点火していきます。
・この時、ガス、エアー混合気体のバルブを開けて、ガス爆発を起こしながら点火口の火に引火させて火入れをしていきます。
ガス爆発の規模を最小にするため、経験を頼りに慎重にバルブを開けていきます。
極度に緊張する一瞬です。
というのも、引火爆発が強すぎるとすでに点火したバーナーの火が消えてしまい、ガス漏れを起こし、大爆発の恐れがあるためです。
そのため、点火係、燃焼確認係の2人で作業を行います。
また引火爆発が強いと窯内の炎を調整する耐火煉瓦の設定が狂ってしまうため、爆発を最小限にとどめるよう、慎重に火入れをします。
・点火してすぐは窯の中が冷えているため、バルブ開栓量を絞っています。
温度の上昇とともにバルブ開栓量を徐々に上げていくのですが、温度は炎の色(燃焼具合)を見ながら経験を頼りに開栓量を上げていきます。
常に温度、炎の色(燃焼具合)が変わってくるので、気が抜けない作業です。
窯の周りを走り回って常に炎の色(焼成具合)を確認して、調整します。
・目視確認で炎が安定しだしたら(約600℃)、バルブを全開栓します。
あくまで勘ですが、この安定してきたら炎が消えることは考えにくいので、点火口の栓を閉めます。
・さらに時間を置き、炎がだいぶ安定してきたら、ガス、エアー混合気体を送る、ブロアの圧を上げて、強制的に昇温をさせます。
・さらに点火しやすいように補助的に打ち込んでいたエアーを落とします。
エアーの流れにより、温度を上げたい場所の温度が違う場所に逃げるのを防ぐためです。
・ここでやっとひと段落つきます。 1月の寒い夜でも、ここまで終わると緊張による汗でシャツがグッショリしています。
・窯内温度が1,000℃くらいまでは早く昇温しますが、そこから徐々にしか上がりません。
また1,230℃付近まで温度が上がったとしても、窯の焼成帯と呼ばれる焼成をかけていくところの耐火煉瓦が、きちんと蓄熱していないと、製品の冷めた生地を入れると温度が下がってしまうため、火入れから約12時間、昇温、蓄熱させていきます。
蓄熱が完了したら、製品の生地が乗った台車を動かして、窯の中に入れていくことができ、通常操業できるようになります。
・やっと製品の乗った台車を動かします。
また台車が動くと熱量が窯の出口方向に逃げるため、相殺するよう専用エアーを起動させ、エアーを打ち込みます。
・これで窯の火入れが完了します。
 
ガスバーナーで点火していきます。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
炎の状態を確認しながら、各点火口から点火していきます。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
バルブでガスの量を調整しますが、点火口から火が噴き出すこともあります。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
炎の色を見て、ガス、エアー混合気体の量を調整します。
タイルを焼く窯に火を入れる
タイルを焼く窯に火を入れる
 
点火口から炎が見えます。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
窯の奥では、激しく噴き出すガスに火が入り、どんどんと温度が上がっていきます。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
これから焼かれるタイルが窯の入り口で待機しています。
タイルを焼く窯に火を入れる
窯の中の火の様子を確認します。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
安定してくると、炎の色も変わってきます。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
設定温度になるまで、どんどん温度が上昇します。
タイルを焼く窯に火を入れる
 
各制御盤の前には、カメラを置いて、窯の様子や温度を監視できるようにしています。
タイルを焼く窯に火を入れる
徐々に窯内温度を昇温させていきます。
タイルを焼く窯に火を入れる
安全に、良い製品ができることを願って。
タイルを焼く窯に火を入れる
 


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